刑務所入口 | 矯正展の会場内 | 矯正展の会場内にて | |||
鳥取刑務所は、鳥取インターチェンジの南約2`。山を背にして、周囲には田んぼが広がる。高いコンクリート壁で囲われた外観は要塞のようで、遠くから見ても独特の存在感がある。 門の警備員に社名を告げると施設内に導かれた。敷地内には無機質な白色の箱形の建物が連なる。 鳥取刑務所に収容されているのは、犯罪を繰り返す傾向が強いとされた男性。約700人いる受刑者は、平均して4・4回刑務所に入っているという。犯した罪は、窃盗と覚醒剤取締法違反が約6割で、 平均刑期は三年。少数ながら、殺人や強姦、放火などの罪を犯した受刑者もいる。した受刑者もいる。 今回の参観に参加したのは新聞社や通信社、テレビ局の記者9人。河野満所長以下、数人の職員に連れられて、受刑者のいる施設内に入る。携帯電話やカメラ、録音機器の持ち込みは禁止。 かたまって移動するように注意を受けた。 物がなく、がらんとした印象の廊下を進む。同じような景色が続くため、少し歩くとどこにいるのか分からなくなる。 受刑者たちが作業をする工場や炊事場、生活する部屋などを順番に案内された。受刑者の姿があるところに所長が入ると、現場の刑務官は大声で敬礼し、作業する受刑者の人数などを報告する。 あまりの声の大きさにドキツとしたが、受刑者は素知らぬ様子。なかにはサツとこちらの様子を見る人もいた。 工場では、受刑者が紙細工や革細工、洋裁などに黙々と取り組んでいた。薄緑のズボンと帽子を着用。大半の受刑者は暑いので上は肌着一枚の姿だった。 雑穀飯、フライ、ひじき、豆。炊事場の入り口には、その日の献立が並び、良いにおいが漂う。浴室は清潔で銭湯のような雰囲気。脱衣場のそこここにあった「交談禁止」の掲示が、ことさら目立った。 受刑者が生活する部屋は、相部屋と個室で、部屋には薄型テレビや仕切りのないトイレなどがある。本棚には、受刑者の私物の本が並んでおり、辞書や趣味の本から、成人向け雑誌まであった。 講堂などには、その日の新聞も。1面では、ロンドン五輪で銀メダルを取った卓球女子の3選手がほほ笑んでいた。 規律に縛られるが、一定の自由も許された日々を送っていた受刑者。しかし、「塀の外」とは隔絶されている。当然のことながら、刑務所は居心地が良いところではないはずだ。それでも、鳥取刑務所 の受刑者の約8割が、出所から5年以内に再び罪を犯すという。河野所長は「出所後に備え、支援施設とつなげるなど、社会で生活していけるようにしていくことが必要だ」と話す。 鳥取刑務所には、昨年1年で350人以上が参観に訪れた。参観は、団体で事前に申し込みが必要。個人でも、毎年10月にある刑務所の作業製品の販売などをする矯正展の際に見学できるという。 |
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鳥取刑務所は昭和53年6月26日鳥取市古海から当地域に移転して来ました | |||||