青谷上寺地遺跡
なぞ多いことも魅力

 青谷上寺地遺跡を1998年(平成10)に初めて掘った時は衝撃的でした。表土をはぐと、一面にタイルを敷き詰めたように大量の土器が出てきたのです。「な んだ、これは」が正直な感想でした。
 出土する遺物の量はもちろん、保存状態がすごい。木製品や金属製品、骨角器が使われていた当時そのままの姿で出ています。極め付きが、昨年6月に3体が確認された弥生人の脳でしょう。全国で もここでしか見つかっていない貴重な資料です。

 今までの発掘調査で調べた区域はほんの一部に過ぎません。確かなことは、この遺跡が弥生時代前期後半に現れ、古墳時代初頭に突然消えていること。 生活感あふれる出土品の一方で、大量の殺傷痕のある人骨が現れるなど、残されたなぞが多いことも魅力です。 遺跡跡自体は現在、埋め 戻されていて公開していませんが、目玉はやはり出土品。県立博物館(鳥取市)で20曰まで開いている速報展には脳をはじめ、これまでの調査で出 た約190点を展示しています。この機会を逃さず、ぜひ足を運んでみて下さい。

(県教委文化課妻木晩田・青谷上寺地遺跡整備室文化財主事 北浦弘人)
(H.13.5.1 日本海新聞)

青谷上寺地遺跡
メモ
鳥取市から約20㌔の青谷町中心部にあり、これまでに計5.4㌶を発掘調査。遺跡の期間は約2400年前から約1600年前とされる。出土品の質と量から「弥生時代のデパート」、 粘土質の層が適度な水分を与え、一方で腐敗も進まない酸欠状態を作り出す環境は「天然の真空パック」と呼ばれる。
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