因幡麒麟獅子舞

麒麟獅子(きりんじし)は、鳥取県や兵庫県に伝わる民俗芸能。
獅子舞の一種である。因幡国(現在の鳥取県東部)に古くから伝わる獅子舞である。

1650年、鳥取藩主池田光仲が鳥取東照宮(現・樗谿神社)を建立した際に、権現祭の神幸行列で行なわれたのが始まりと言われている。
因幡地方では百数十か所、但馬地方には十数か所の麒麟獅子が伝えられている。

鳥取県指定無形民俗文化財
・大和佐美命神社獅子舞 - 大和佐美命神社(鳥取市)
・宇倍神社獅子舞 - 宇倍神社(鳥取市)
・下味野神社の麒麟獅子舞〔鳥取市下味野〕 1998年4月21日指定
・倉田八幡宮の麒麟獅子舞〔鳥取市馬場〕 1998年4月21日指定
・賀露神社の麒麟獅子舞〔鳥取市賀露町北〕 1998年4月21日指定
・虫井神社の麒麟獅子舞〔八頭郡智頭町大字大呂〕 1998年4月21日指定
因幡地方の独特の原形を今につたえる伝統の舞
麒麟獅子この地方には、「麒麟獅子」という頭をかぶった獅子舞が神社の神前に奉納されており、代表する祭りが毎年宇倍神社で盛大に行われています。
麒麟獅子舞は「二人立ち」の頭部に「麒麟」の彫り物を戴くもので、 通常「猩猩」と呼ばれる怪しい役に導かれながら登場します。「麒麟」は中国で生まれた想像上の動物で、その体は鹿にも似て額に一本の角を持つのが特徴です。 いわゆる「一角獣」に属するものです。そして生草を踏まず生ものを食べることのない思いやりのある聡明な動物とされています。
また、耳は蓮の花びらのような形をしており、これが一角をはさんで二つ直立しています。
目は金色の地色に黒の三日月形、鼻は大きな穴が二つ上を向いており、眉はいかにも太くそして大きく縮れて渦を巻き男性的です。口は大きく裂け中には歯が横に並び、開けると紅い舌が見えます。 江戸時代に鳥取藩主池田光仲公が始めたといわれるこの舞いは、因幡地方独特の古い原形を伝えており、鳥取県の無形民俗文化財に指定されています。

「麒麟獅子舞」
麒麟獅子舞は三方舞と称するものを本格とし頭役と後役の二人によって舞われます。頭役が主役をつとめ後役は補助役となり、時には指導役となります。そうして頭役と呼吸をぴったりと合わせ舞うのです。
先導役は「猩猩(しょうじょう)」といわれる怪しい役がつとめます。これは名称や風貌からも窺われるように能の「猩猩」を模倣したものです。にこやかに微笑む真っ赤な面をつけ、 髪ももちろん赤く装束は獅子の二人と同じく赤の裁着け袴をはいています。そして腰には赤い瓢箪をぶら下げ、手には太くて赤い丸太棒を一本持っています。
舞が始まるとまず神座に向かって左側はるか下座に猩猩、獅子の順に並びます。最初に猩猩が跳び、次に獅子が跳びます。同じ方向に飛ぶのですがこれは麒麟獅子通有の方式なのです。 歌めいたものはなく、鉦、太鼓、笛の3つで構成され単調素朴な調べを奏でます。「カーン、カーン、カーン」と間をおいて鳴る鉦は、一度聞いた人には忘れられない印象を与えてくれます。
 


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