文化財めぐり
 
鳥取県教育委員会  【ぶらりとっとり 文化財めぐり 「岩美郡・八頭郡編」】を参照して見学する。

岩美町には、鳥取と京都を結ぶ主要街道として鳥取藩によって整備された「山陰道蒲生峠越」があるほか、平成20年に世界ジォパークネットワークに加盟した山陰海岸国立公園 「浦富海岸」(国指定名勝および天然記念物)があります。

八頭郡には、鳥取藩主池田家の参勤交代の道として使われた「智頭往来」(智頭町)、播磨への道として使われた「若桜街道」(若桜町)の2つが残っている。
いずれも因幡地方の流通を支えた主要な幹線道路でした。また、若桜町から八頭町にかけて若桜鉄道が走っており、駅舎や橋渠などの関連施設を含めた路線が丸ごと全国で はじめて登録文化財となっている。
 
  1.浦富海岸   2.鳥取藩台場跡   3.新井三嶋谷墳丘墓   4.大羽尾神社   5.山陰道蒲生峠越
  6.元岩井小学校   7.二上山城址   8.岩井廃寺塔跡   9.若桜鉄道 10.若桜の町並み
11.若桜鬼ケ城跡 12.三百田住宅 13.不動院岩屋堂 14.若桜神社社叢 15.智頭往来志戸坂峠
16.土師百井廃寺跡 17.澤神社 18.石谷家住宅 19.諏訪神社 20.板井原建造物群
21.豊乗寺太子堂と山門 22.西御門の大イチョウ
 
鳥取市文化財めくり
 
1.浦富海岸  (国指定名勝及び天然記念物)
奇岩や島嶼、洞窟、洞門等の海食地形と、砂丘海岸が交互に連なる変化に富んだ海岸風景など貴重な地質的特徴を 合わせ持つことから名勝及び天然記念物に指定されている。

画像クリックで山陰海岸ジォパーク

JR岩美駅よりバス岩井線15分、網代下車、徒歩5分
 
2.鳥取藩台場跡  (国指定史跡)
幕末期、海防意識が高まる中で鳥取藩内に築かれた台場(砲台)で、この浦富のほか県内7ヶ所に築かれた。 浦富台場なは六王反射炉(北栄町)で生産された12斤台場砲等4門が備えられたが、実戦で一度も使用されることはなかった。現在は砲台が据えられた土塁がのこり、 「浦富お台場公園」として整備されている。

(画像クリック拡大)

JR岩美駅よりバスで6分、町営駐車場下車、徒歩3分
 
3.新井三嶋谷墳丘墓  (県指定史跡)
蒲生川を見下ろす小高い丘陵上に築かれた2基の弥生墳丘墓で、1号墳丘墓は南北24mの四角い形の墳丘斜面にびっしり石が貼りつけられた貼石墓で、 墳丘頂部からは3基の埋葬施設がみつかっている。
2号墓は貼石のない方形墳丘墓。現在は公園として整備されており、因幡の弥生王墓の威容を望むことが 出来る。

JR岩美駅からバス岩井線で3分、恩志橋下車、徒歩10分
 
4.大羽尾神社(因幡の菖蒲綱引き)
(国指定重要無形民俗文化財)
岩美町大羽尾地区の産土神である。
当神社と、同じく集落にある天台宗勧学寺の大木に、菖蒲綱引きで使用した綱がかけられている。
菖蒲綱引きは毎年 6月5日に近い日曜日に、子どもを中心に行われる。
午前中に茅、菖蒲、蓬をより合わせて綱がつくられ、午後海岸で綱引きと相撲が行われたあと、綱を2本に切って神社と寺に納められる。

大羽尾:JR岩美駅から岩美町営バス陸上線で10分、羽尾下車
 
5.山陰道蒲生峠越  (国指定史跡)
「山陰道」とは古代における行政区分の名称であり、この行政区分の国々をつなぐ官道のことも「山陰道」と呼ばれるようになったと推定されている。
江戸時代になるとこの道は鳥取と京都を結ぶ主要街道として、鳥取藩が整備し、「但馬往来」とも呼ばれている。
現在、峠の頂上付近には往来の安全を祈願したであろう「延命地蔵大菩薩」の台座が残り、 当時の往来の様子を今に伝えている。

JR岩美駅からバス岩井線で18分、神堀下車、徒歩5分
 
6.元岩井小学校   (岩美町指定保護文化財)
明治25年に建築された擬洋風建築で、左右対称のデザインとなっている。
玄関バルコニーの柱のデザインなどに洋風建築の要素を取り入れながらも、屋根は和風とするなど折衷様式となっている。
明治中期の擬洋風建築として、また県内現存最古の校舎建築として貴重である。

JR岩美駅からバス岩井線で7分、岩井温泉口下車、徒歩5分
 
7.二上山城址  (国指定史跡)
二上山城は、標高346mの非常に険しい独立峰二上山の頂上付近に築かれた典型的な山城である。
「-の平」「二の平」などからなる城郭の構造は、南北朝期の山城としての特徴を示し、文和年中に因幡守護に任じられた山名時氏が築城したという伝承からも、創建時期が窺える。

(画像クリックで二上山城址)

JR岩美駅から町営パス小田線で8分、岩常下車、徒歩20分程度
 
8.岩井廃寺塔跡  (国指定史跡)

画像クリック拡大
蒲生川右岸の山裾、御湯神社の参道脇にある塔心礎で、地元の人々から「鬼の椀」と呼ばれ親しまれている。
心礎に穿たれた柱孔の底には、直径20㎝の舎利孔がみられ、周辺から出土した瓦の年代から、白鳳時代の寺院跡であると考えられている

JR岩美駅からバス岩井線で10分、岩井下車、徒歩10分
 
9.若桜鉄道(若桜駅本屋ほか)
(国登録有形文化財)
昭和5年に全線開通した旧国鉄若桜腺。開業当時からある6つの駅舎や、橋梁、終着駅の設備等が残されており、計23の施設が登録文化財となっている。
沿線まるごとが登録文化財となった全国で初めての事例で、特に終点若桜駅では、木造駅舎のほか、機関車の転車台、給水塔といった終着駅ならではの設備が残されており、昭和初期の鉄道運行シ ステムを伝える貴重なものである。
 
10.若桜の町並み  (カリヤ通り・蔵通り)
カリヤ通りには明治の大火後から昭和20年代までに建築されたと見られる町屋が並んでおり、深雪時でも通行できるように「カリヤ」と呼ばれる半野外 の通路が設けられている。
蔵通りには土蔵が連なっており、防火帯の役割を果たすと言われている。雪の多い地域ならではの工夫を凝らした景観を持ち、火災からの復興や近代の林業繁栄の歴史を 伝えている。

若桜鉄道若桜駅からすぐ
 
11.若桜鬼ヶ城跡  (国指定史跡)
八東川と三倉川に挟まれた標高452mの鶴尾山の山頂に築かれた山城。
室町時代の在地領主矢部氏によって築城されたと伝えられるが、詳しい年代はわかっていない。
戦国時代の終わりから江戸時代のはじめ頃に石垣を携えた城として改修された。山頂の石垣は崩れた場所が多く見られ、 一国一城令による廃城に伴って人為的に破却されたありさまを今に伝えている。

若桜鉄道若桜駅から徒歩40分
 
12.三百田住宅  (県指定保護文化財) 元禄7年(1694)に建築された庄屋の主屋で、普請帳も伝わる。
入母屋造、茅葺の建物で、広い土間の内部に厩を設け、土間に沿って広間を配置するな ど、当地方の特徴を良く示す。
また、材料の加工法等に他の同年代の他の家屋に比べて進歩した点がみられる。常時公開。

若桜駅から徒歩10分
 
13.不動院岩屋堂  (国指定重要文化財)
不動院は大同元年(806)創建と伝え、秀吉の鳥取攻めの折に焼き討ちにあったが、岩屋堂だけが残ったと伝わる。
岩屋堂は岩窟内に立つ懸造で、室町 前期の建築とされる。
柱などに大きく面をとり、正面に火灯窓を設ける。内部は一室で、中央奥の仏壇には不動明王をまつる。
3月と7月の法要の他、事前予約で内部拝観も可能。

若桜駅からバス落折・小船線、吉川線で15分、岩屋堂下車、徒歩2分
 
14.若桜神社社叢
(県指定天然記念物)
若桜町と八頭町の境にある遠見山から北東にのびる尾根の先端南東斜面に位置する。
標高は220~280mで、シラカシを中心とするカシ林である。シラカシには巨大なものが多く、胸高直径が90Cmを超えるものもみられる。
鳥取県下では数少ないシラカシの多い、成熟した照葉樹林である。

(画像クリックで若桜神社)

若桜駅から徒歩10分
 
15.智頭往来志戸坂峠越  (国指定史跡)
平安時代から畿内と因幡を結ぶ主要な道として利用されており、近世では、鳥取池田藩が参勤交代の道として重視し整備を行っている。
智頭町内には、往来安全を願う大日如来や地蔵の他、廻国記念碑など近世の道にまつわる石造物が数多く残されており、参勤交代のみならす、庶民や物が往来する主要道であったことが窺える。
自然や歴史に恵まれ、昔の面影を今に伝えている。

智頭急行山郷駅下車徒歩2分
 
16.土師百井廃寺跡  (国指定史跡)
霊石山から南東に延びる丘陵上に立地する。ほ場整備などに伴う発掘調査によって、東に塔、西に金堂を配する法起寺式の伽藍配置であったこ とが明らかとなった白鳳時代の寺院跡。
現在も塔心礎をはじめとする礎石がそのまま残っており、当時の栄華を偲ぶことができる。

JR郡家駅から車で10分
 
17.澤神社(澤神社の麒麟獅子舞)
(県指定無形民俗文化財)
八頭町才代地区の産土神で、毎年4月の春祭りと10月の秋祭りに、境内で麒麟獅子舞が舞われる。
この獅子舞でかって用いた蚊帳は、 鳥取藩初代藩主池田光仲の緞子の寝具用いて作られたといい、当地の獅子舞の歴史の古さを感じさせる。(左図は インターネットから借用)

若桜鉄道八東駅から徒歩5分
 
18.石谷家住宅  (国指定重要文化財)
       石谷氏庭園  (県指定名勝・国登録記念物)
近代に林業経営で栄えた石谷家の住宅で、優れた意匠をもつ大型の近代和風建築。広々とした土間空間や、洗練された座敷が特徴である。
庭園は池庭、枯山水等様々な様式を取り入れている。

(画像クリックで石谷家)

JR智頭駅より徒歩10分
 
19.諏訪神社(諏訪神社の柱祭り)
(県指定無形民俗文化財)
弘安元年に信濃(長野県)諏訪神を勧請したと伝える旧村社。寅年、申年の4月の酉の日に、四本の杉の神木を担いで町中を練り歩き、神社本殿の敷地の四隅に建てる柱祭りが行われる。
天明2年の智頭大火の際、火伏せを願って、信濃諏訪社の御柱祭りに倣って始めたと伝えられている。

JR智頭急行智頭駅から徒歩10分
 
20.板井原建造物群保存地区
(県選定伝統的建造物群保存地区)
江戸時代には炭焼きと農業、近代には養蚕を主な生業とした集落で、江戸時代から昭和40年頃までの家屋が多く残る伝統的建造物群保存地区。
歴史的建造群と周囲の自然環境とが一体となった、日本の原風景ともいえる景観を伝えている。地区内には登録文化財(建造物)も複数所在する。

(画像クリックで板井原集落)

智頭駅から車で20分
 
21.豊乗寺太子堂と山門  (県指定保護文化財)
       豊乗寺のスギ(県指定天然記念物
       木造毘沙門天立像(国指定重要文化財)
茅葺の大師堂は天明2年(1782)に建築されたもの。造りは簡素だが、組物等に18世紀建築の特色が窺え、正面には池田家の家紋が用いられるなど、 鳥取藩との関わりも深かったことがわかる。
山門は、延享元年(1744)に建築され、組物などの絵様も大師堂より古い様式を伝えている。
 境内には県指定天然記念物である巨大なスギの木が3本見られ、国指定の彫刻で平安時代後期の作と推定される木造毘沙門天立像を見学することもできる(要事前申込)

(画像クリック拡大)

智頭駅から町営バス富沢線で5分、豊乗寺口で下車丿走歩10分
 
22.西御門の大イチョウ  (県指定天然記念物)
西御門集落の山手側に一本のイチョウがある。雌木で胸高直径約2.5m、枝張りは、東西約35m、南北約29m、樹高は約30mという巨樹で、とっとり名木100選にも選ばれている。
根元の南側には疱瘡神をまつる 祠があり、疱瘡(天然痘)が流行すると、人々はイチョウの葉をお守りにしたと伝えられる。

郡家駅からバスで5分、西御門で下車、徒歩2分
バック
 
TOP(HOME)