1.楽楽福神社社叢【県国指定天然記念物】
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日野川の支流、印賀川上流の左岸にある丘陵地の尾根の東南端、標高約 430~460mに位置する。
高本層にはコナラ、モミが亜高木層にはモミの幼木が多く、アカシデやウリカエデ等が、低木層はモミの幼木がやや多く、アセビ、
ネサルトリイバラ等がほぼ一様に入っている。 落葉広葉樹林から常緑広葉樹林に遷移する途中相を示しており、本社叢はそうし
た林の移行を示す、一典型とみなすことができる数少ない中間帯的環境における学術的な参考林として価値が高い。
JR生山からバス大宮線で約20分 学校前下車、徒歩1分 |
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2.印賀宝篋印塔 【県指定保護文化財】
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相輪の一部を欠くが、笠部、塔身、基礎、基壇が完存しており、総高は2.4mである。
塔身は方形で、現在は摩滅してほとんど読めないが、正面に銘文が彫られている。そこから法華経を供養し、自らの死後の安楽を生前に願つた印賀付近の武士団により建てられたと考えられる。
宝珠や笠、隅飾に室町時代初期の特徴を示し、全体に安定感のある優美な形状である。
JR生山駅からバス大宮線で15分 古市下車徒歩 15分 |
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3.イチョウのオハツキ・タイコイチョウ【県国指定天然記念物】
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JR上石見駅の北約200mに位置する大石見神社の石段を登りきった両側に2本のイチョウの巨
木が植えられており、右側の1本が天然記念物に指定されている(胸高直径約1.3m)。 オハツキ・タイコイチョウは、種子が葉の上で結実し、
2個の実がついて太鼓型になる異形のイチョウである。幹に多数のコブ状の隆起が認められることも特徴である。
JR上石見駅から徒歩5分 |
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4.根雨神社社叢 【県指定天然記念物】
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根雨神社は、根雨市街地西方の現社殿域と同市街地東方の旧社殿域(現、高尾神社)の両方に社叢があり、
両者とも天然記念物に指定されている。
旧社殿域の方は、標高約200~300mの尾根の末端に位置する。現在のところ、県下に残っている最もよく発達し成熟したシラカシ・ウラジロガシ林で
あり、樹高約25mのシラカシを代表に大木が散見される。たぐい希な優れた照葉樹林として学術的に価値が高い。
JR根雨駅から徒歩7分 |
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5.鏡山城址 (黒坂城跡)
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JR黒坂駅の西側にある山城。 山頂部にある郭群と山麓部の館跡が見られる。 もともと中世に築かれたと思われる山頂の郭群に対し
て、山麓部は慶長15年(1610)に関一政が5万石の大名として入城した後に、枡形虎口などを整備したものと考えられる。
JR黒坂駅から、山頂まで徒歩30分 |
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6.旧根雨公会堂(日野町歴史民族資料館) 【国登録有形文化財】
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根雨の町並みを見下ろす山の中腹に建つ切妻造、妻入の木造2階建の大規模な公会堂であった建物。
根雨の近藤家の寄附を受けて建築家岡田孝男の設計により昭和15年に建てられた。外観は周囲の町並みに調和するように、庇を回して抑
えた意匠となっており、妻壁を飾る根雨のネと文を合わせたマークが文化の殿堂であることを示す。 向かいには江戸時代末期のだたら炉床の基礎となった「坊主石」が展示されている。
公開・見学は、事前に日野町教育委員会に申込要。
玉子石 JR根雨駅より 徒歩5分 |
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7.長田神社社叢【県指定天然記念物】
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法勝寺川に面して突出する尾根を占めて位置し、面積約3.5haで県下最大級を誇る。
群落型は大きく3つに分けて考えることができ、第一は大部分を占めるスダジイ林で、サカ牛、クロキ、クロガネモチなども散見され、第二はタプをまじえたウラジロガシ林で、
第三は前記二者の移行型と思われるシイとサカキの林である。また巨樹も多く、その最大胸高直径は、スダジイで1.6m、ウラジロガシで1.1mに達する。
このような植生を形成する社叢は県下にはあまり見当たらす、山陰地方の内陸における暖帯下部の常緑広葉樹林の一型とみなすことができ学術的に価値が高い。
JR米子駅からバス法勝寺線で20分、役場入口下車、徒歩2分 |
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8.石製鴟尾 (国指定重要文化財)
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鴟尾は、瓦葺宮殿・仏殿の屋根の両端に取り付けた飾りであり、これは白鳳時代創建と推定される大寺廃寺のものと考えられている。
高さ1m、幅45cmで、鰭が10段に刻まれている。 鴟尾は、瓦質製のものが一般的で、石製のものは珍しい。 大寺廃寺では発掘調査が行われ、古い瓦の出土品も多く見つかっている。
JR岸本駅より徒歩15分 |
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9.釿守神社(ちょうのもりじんじゃ) (馬佐良の申し上げ) 【県指定無形民俗文化財】
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馬佐良集落で祀られている神社。 境内には荒神が祀られ、毎年12月初旬に「馬佐良の申し上げ」が行われる。 新稲藁で編んだ長さ約7mの藁蛇、荒神幣が奉納
される。 また荒神の玉垣内に埋めてある瓶に甘酒と団子を奉納し、中に残っている液体の量で新年の農作物の吉凶を占う。 同種の行事は県西部の各地で行われているが、神饌献上、年占など、祭りの古態をよく残している。
米子駅から日の丸バス法勝寺今で40分。法勝寺下車、南部町ふれあいバス循回線(反時計回り)に乗換え10分。馬佐良中下車 |
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10.矢田貝家住宅【国登録有形文化財】
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地主経営や醸造業を営んだ矢田貝家の住宅で、日野川東岸に位置する。近世末期に建てられた主屋は当地方の伝統的な民家形式をよく伝えている。
また、昭和初期に宅地を拡大して造営された庭園や付属屋が複数残る。中でも2棟の茶室は開放的で、瀟酒な接客空間を造り出し、広大な庭園とあわせて近代の風情豊かな屋敷構えを伝えている。
現在は蕎麦屋として活用されている。
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JR伯耆溝口駅より徒歩15分 |
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11.大山僧坊跡
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平安時代後期から「修験の山」として信仰を集めた大山には、幕末までに40を超える僧坊が築かれていた。
僧兵もいたとされる僧坊跡は石垣等に囲まれた区画として、登山道、神社参道沿いに今も多く残されており、当時の栄華を伝えている。
各地から大山僧坊に至る道は大山道と呼ばれ、中国地方一円から多くの方が往来し、信仰の心を通わせていた。
JR伯耆大山駅より 車20分 米子ICから 車で約15分 |
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12.大山寺阿弥陀堂 (国指定重要文化財) 阿弥陀如来及び両脇侍像 (国指定重要文化財) |
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大山寺は、寺伝によると奈良詩代の開山と伝わるが、詳しいことは分かっていない。現在の建物は5間四方、屋根はこけら葺き
の宝形造で、16世紀中頃、大洪水の後再建された。その際古材が使用されたため、建築様式に鎌倉時代の様相もとどめている。
阿弥陀堂の本尊として阿弥陀三尊像が安置されており、中尊である阿弥陀如来の胎内銘から天承元年(1131)3月から6月にかけての仏師良円の作であることがわかる。
山陰地方を代表する平安時代後期の定朝様式の優れた作品である。
JR大山口駅からバス大山寺行で約30分、大山寺下車、徒歩約15分 |
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13.石室・梵字ケ池(大山のもひとり神事) 【県指定無形民族文化財】
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大山頂上付近に位置し、「大山のもひとり神事」が行われる。 神事は、7月14日に 大神山神社奥宮
で夕祭りが行われた後、15日深夜1時半の派遣祭を経て大山山頂に向かい、石室で神祭執行、梵字ヶ池で霊水、その周辺で薬草を採取する。
江戸時代は、大山寺により写経と経筒埋納を伴う弥山禅定として行われていたが、廃仏毀釈を受けて現在の大神山神社奥宮を主体とする形に変わつ た。
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大山夏山登山道入口から徒歩3時間程度
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14.大神山神社奥宮【国指定重要文化財】
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もとは 伯畜大山寺の大智明権現社で平安時代後期の創建と伝えられるが、その後火災焼失、移転を
繰り返し、文化2年(1805)に現在地で復興した。 現在の建物は江戸時代後期を代表する神社建築。 壮大な権現造で、拝殿と本殿を幣殿で結び、
拝殿の左右には長い回廊がとりつく。 内部は美しく彩色され、幣殿の格天井には華麗な華鳥人物が描かれている。
敷地北側には、末社下山神社(国重文)があり、これも奥宮同様、権現造となっている。 |
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15.所子の町並み
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伯耆地方の大型民家を代表する、昭和6年(1769)建築の門脇家住宅(国指定重要文化財)をはじめ、南門脇家住宅、
東門脇家住宅、美甘家住宅など、江戸時代後期から昭和にかけて建てられた歴史的な建物が多く残る。 建物のほかにも、集落の中心部を通る大山道や水路、
六地蔵や周辺の田畑など、江戸時代から続く農村集落の風景をよく伝えている。
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JR大山口駅からバス大山線で5分、所子入口下車 徒歩5分 大山ICから車で5分 |
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16.助沢正平五輪塔【県指定保護文化財】
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この五輪塔は地輪に「正平十五年(1360)庚子三月 日」の紀年銘が刻まれており塔の制作時期が明確な
ことに加えて、正平が南朝の年号であることから、当時、伯耆国が南朝方の山名時氏に支配されていたこととの関係が推測される貴重なものである。
JR江尾からバス下蚊屋線で15分 助沢下車 徒歩10分 |
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17.江美城跡
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文明年間の築城と伝えられ、永禄7年(1564)尼子方に属していた蜂塚右衛門尉は毛利勢に攻められ落
城した。 その後も日野地方を抑える要衛として重視され、本丸は織豊期に石垣を備えた城に整備された。
発掘調査により金箔鯉瓦が出土したことでも注目される。
JR江尾駅から徒歩5分 |
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18.旧江尾発電所本館【国登録有形文化財】
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大正8年に山陰電気株式会社によって建てられ、昭和52年まで稼働していた旧水力発電所施設。 県内では
珍しい石造建築で、2階建の北館と平屋建の南館で構成されている。
軒にはコーニスと呼ばれる段状の装飾が施されるほか、窓の上部のデザインに数種類のアーチ型を使い分けるなど、西洋建築の様式が取り入れら
れ、地域のランドマークともなっている。
通常内部非公開。
JR江府IC車で5分 |
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19.江尾のこだいぢ踊【県指定無形民俗文化財】
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毎年孟蘭盆17日の夜に城内を解放し踊りと相撲の会を催した江美城主蜂塚安房守が、毛利軍に攻められ滅亡
した後、城主を慕って供養のために踊られたと伝わる。 8月17日の江尾十七夜の宵に、編み笠、浴衣姿の踊り子多数が、太鼓、音頭に合わせて優雅に踊る。
戦前は東祥寺の間庭で踊られていたが、現在は江美神社下の上ノ段広場で踊られている。
JR江尾駅から徒歩5分
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20.武庫の七色ガシ【県指定天然記念物】
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JR伯備線武庫駅の南方、明倫小学校裏の山麓に立つシラカシの大木であり、胸高直径65cm、枝張りは南北10m、
樹高約18m。 伝説によると、今の武庫の一面の水田は昔は渕(ふち)で、大蛇が住んでいたが、この渕が水田になったことにより大蛇の住むところがなくなり、
このカシに巻きついたと伝わっている。 よって別名蛇ガシとも呼ばれ、カシの木に傷をつけると血が出るとの言い伝えかある。
七色ガシは、季節毎に、紫色(4月頃)→黄色(5月頃)→白色(6月)→赤色(7月)→緑色(8月)→青黒色(9月下旬~翌3月)と葉の色を順次変えて
いくことから、この名がつけられた。
JR武庫駅から徒歩10分 |
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