立見峠は現在の鳥取市本高と宮谷を結ぶ峠で、江戸時代は因幡国(鳥取藩内)の高草郡と邑美郡を結び鳥取から鹿野に通じる鹿野往来として賑わった。 現在でも当時の面影を色濃く残す峠である。 その昔、その峠におとん女郎と呼ばれる女狐が住み、化けるのが上手で、よく人を化かしたと伝わる。 おとん女郎は、池田の殿様に仕えた飛脚狐の桂蔵坊の女房と言われている。 さて、この「おとん女郎」は、とても変装が上手く、化けて出ては近くを通る人たちを騙して困らせていたそうです。 例えばこんな話が残っています。 近くを通った商人が、女性に化けたおとん女郎狐をからかってやろうとしたが、逆に騙されて、田んぼの肥溜めをお風呂と思い、その中で身体や顔を洗っていたという話。 若い青年たちが、おとん女郎狐を捕まえようと色々と手を尽くしたが、結局は、逆に騙されて丸坊主にされてしまった話。 立見峠 |