イボ地蔵-1
(資料 鳥取県伝説集)



イボを治療するといわれる「イボ地蔵」が下味野にあります。(2017年9月号参照
類似の「イボ地蔵」は他地域にもあります。



  1. イボ落としの水
    鳥取市菖蒲の菖蒲廃寺大塔跡は、村の西榎田の田んぼの中にあります。そこには縦八尺横六尺の自然石があり、石の中央に はかって心柱をすえた穴が開いています。この穴は大きく、直径一尺四寸、深さ四寸五分もあります。
    土地の人は、この穴にたまった雨水でイポを洗うと、たちまち落ちて無くなるといって、この水を「イボ水」とか「イボ落としの水」と名づけています。

  2. イボ五輪
    八頭郡佐治村津無と葛谷との間に、横江左近という武士を祀った墓があります。
    この五輪の塔の上部の窪んだ所にわずかに水が溜っていますが、この水をすくってイボにつけると、イボが取れるといつて、土地の人は「イボ五輪」と名づけています。

  3. イボの神様
    八頭郡用瀬町金屋の金屋橋の近くに墓地があります。
    この墓地の中には一基だけ東を向けて建てられた基があります。 これは昔、金屋と用瀬の村人が薪山の境界争いをしたとき、赤松の石橋のたもとで殺された金屋の首謀者の墓だといわれています。
    この墓石の前にある水溜りの水をイボにつけると、たちどころにイボが落ちるといって、金屋の人はこれを「イボの神様」と名づけて儒仰しています。

  4. イポイチさん
    岩美郡国府町の庁に、高さが2メートルに近い巨大な五輪の塔があります。
    この五輪の塔に祈ると、体にできたイボが取れるとい^って、地区の人は「イボイチん」と呼んで崇敬しています。
    また、国府町谷の北上居にも「イボイチさん」といわれる五輸の塔が数基かたまっててあります。その前の水入れに溜まった水をイボにつけると、イボが落ちて無くなるといわれています。

  5. イボ五輪
    八頭郡河原町神馬に、土地の人が「イボ五輸」と呼んている五輪の塔が一基あります。
    この五輪の塔の笠石の上部を取ってみると、穴があって、そこには水が少々溜っています。この水をイボにつけると、不思議にもイボが落ちて無くなるといわれています。

  6. イボ水さん
    八頭郡若桜町の小船と落折の間の国通沿いに、小さな石地蔵が祀られています。この石地蔵の前の水入れには、いっも少しばかりの水が溜っています。
    この水を持ち帰つてイボにつけると、不思議にもイボが落ちるといわれ、地蔵の名をいつしか「イボ水さん」と呼ぶようになりました。
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