因幡三十三番(願行寺)
(鳥取県伝説集)

昔、鳥取市朝月の百姓善次郎という者が、不思議な夢を見ました。それは、「F味野(鳥取市)の極楽尾の下一町ばかりの所にある大井津という古井戸を掘れ」 というものでした。というものでした。
そこで、善次郎が、そこで 善次郎が、早速「大井津」を探して掘ると、地下三尺ばかりの所から三国伝来の聖観世音菩薩の像が出て来ました。善次郎は驚いて、この仏像を味野の願 行寺に持って行って安置してもらいました。

そのころ、願行寺六世の専誉南随上人がこの像を拝して、国中の観世音三十三か所巡礼の願を立てました。
第一番は長谷寺(鳥取市長谷)より始めて、道のりおよそ五十里、願行寺を三十三番最後の札所と定めました。これが「因幡三十三番札所巡礼」ということの起こりで、 一時はたいへん盛んな民俗行事になりました。

その後、この「因幡三十三番札所巡礼」は絶えていましたが、鳥取市大工町の釜屋浄誓という者が再興し、自分で御詠歌などを作って三十三か所の札所を巡礼したと伝えられています。
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