湖山長者

むかし因幡一円の富と幸せを一身に集めた長者に湖山長者がいました。

長者の所有する田んぼは、千へクタールにも及ぶといいますから、おどろきです。この年も、近くの老若男女をかき集めて田植えをしました。大動員です。

ひるすぎ、親ザルが子ザルを逆さまに背負って、あぜ道でたわむれ始めました。田植えの手を休め、ひとびとは大笑い。このハプニングのため、作業は遅れてしまい、気がつくと、太陽が西に沈もうとしているではありませんか。
例年、長者の田植えは一日で終えるきまりがありました。

長者は金の扇を取り出すと、高殿にあがり、太陽を三度招きました。「太陽よ、もどれ!」すると、いまにも沈み切ろうとしていた太陽が、あともどりし始めたのです。ひるのように明るくなりました。 田植えは、無事に終わりました。

あくる日。自慢の田んぼを見ようと高殿にあがった長者は、びっくりしました。きのう植えたはずの早苗は消え失せ、青々とした水がさざ波を打っていたのです。それがいまの、湖山池です。
 
湖山池

沿岸部の湖山砂丘(古砂丘、新砂丘)の発達により形成された潟湖です。周囲18km、面積6.9km2、平均水深2.8m。池内には5島(青島、津生島、団子島、猫島、鳥ケ島)があり、6河川(福井川、長柄川、湯尻川、三山口川など)が流入し、その広さは池と名のつくものであれば日本一の面積です。
湖山池
湖山池(ネットから借用)

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