立見峠たちみとうげのおとん女郎

立見峠は現在の鳥取市本高と宮谷を結ぶ峠で、江戸時代は因幡国(鳥取藩内)の高草郡と邑美郡を結び鳥取から鹿野に通じる鹿野往来として賑わった。現在でも当時の面影を色濃く残す峠である。

その昔、その峠におとん女郎と呼ばれる女狐が住み、化けるのが上手で、よく人を化かしたと伝わる。
おとん女郎は、池田の殿様に仕えた飛脚狐の桂蔵坊の女房と言われている。

さて、この「おとん女郎」は、とても変装が上手く、化けて出ては近くを通る人たちを騙して困らせていたそうです。

例えばこんな話が残っています。

近くを通った商人が、女性に化けたおとん女郎狐をからかってやろうとしたが、逆に騙されて、田んぼの肥溜めをお風呂と思い、その中で身体や顔を洗っていたという話。

若い青年たちが、おとん女郎狐を捕まえようと色々と手を尽くしたが、結局は、逆に騙されて丸坊主にされてしまった話。
 

                        立見峠(新道)

飛脚狐の桂蔵坊

この「桂蔵坊」も化けるのがうまく、江戸まで3日で行き帰りできる優れた術を持っていたため、池田の殿様に大変かわいがられていたそうです。
この殿様の御用が終わっての帰り道、播州三日月村で、焼きねずみの匂いに誘われて仕掛けられた罠に挟まれて死んでしまったということです。
それを殿様がたいそう哀れみがり、お城のある久松山の中腹に中坂(なかざか)神社を造り桂蔵坊を祀ってやったと言われていま
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それを殿様がたいそう哀れみがり、お城のある久松山の中腹に中坂(なかざか)神社を造り桂蔵坊を祀ってやったと言われています。
この中坂神社は、桜の花見で知られる鳥取城址の二の丸にあり、今でも「桂蔵坊さん」と親しまれ、お参りする人があるとか。(久松山登山口にある稲荷神社)

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